【イベントレポート】-Season2- 第8回目リアルイベント「Web3 × セキュリティ」── 法が整い、守りが固まる。Web3、いよいよ本番。 ──
- 渋谷Web3大学

- 4月26日
- 読了時間: 5分

2026年4月22日水曜日開催
渋谷Web3大学 -season2- 第8回目リアルイベント(通算第39回目)
「Web3 × セキュリティ」── 法が整い、守りが固まる。Web3、いよいよ本番。 ──

渋谷Web3大学が4年目に突入し、日本の成長戦略から「Web3」という言葉が消えた今、それは「終焉」ではなく「本質回帰」の始まりを意味します。
過剰な期待が淘汰され、技術が社会インフラへと脱皮するこの重要な局面において、避けては通れない「信頼の設計」について、業界のトップランナーたちが集結し、熱い議論を交わしました。

「業界全体の動向・規制改革の展望」
森川 夢佑斗さん
株式会社Ginco
Founder 取締役
▼Web Site

まず、株式会社Gincoの森川さんより、業界全体の動向と規制改革の展望について解説がありました。
森川さんは、現在のWeb3業界が金商法(金融商品取引法)への移行という大きな転換期にあると指摘しました 。特にグローバルでは、現実資産をトークン化するRWA(Real World Assets)が加速しており、大手金融機関が参入していないところがないほどの温度感になっていると強調しました。
金商法移行の意義:投資家保護を明確にし、実態に伴う規制枠組みに入ることは、大企業や金融機関の安全な参入を後押しするポジティブな動きである。
信頼の基盤:今後は「安全・安心」という基盤をどう業界全体で築くかが、マーケットの健全な発展に直結する。

「Web3業界全体のセキュリティリスク概況」
内田 雅彦さん
チェイナリシス ジャパン株式会社
日本代表
▼Web Site

激化するサイバー攻撃と北朝鮮の脅威続いて、チェイナリシス ジャパン株式会社の内田雅彦さんより、最新のセキュリティリスク概況が共有されました。
内田さんは、2024年に不正な活動に使われた暗号資産が約242億ドル(約3.6兆円〜3.7兆円)に上るという衝撃的なデータを提示しました。
北朝鮮によるハッキング:盗まれた資産は北朝鮮の核兵器開発などの資金源となっており、国家的な問題となっている。
DeFiとステーブルコインのリスク:近年ではDeFiを狙ったハッキングが深刻化しており、特にステーブルコインの過剰発行を狙った不正トランザクションなど、手口が高度化している。
「侵入は防げない」という前提:120%の侵入防止は不可能であるため、異常な挙動を検知するモニタリングや、トランザクションのダブルチェックなどの仕組みが不可欠となっている。

「業界共助の取り組み(JCBA/JPCryptoISAC)について」
佐々木 康宏さん
楽天ウォレット執行役員 CISO
JPCrypto-ISAC 代表理事
JCBAセキュリティ・システム部会長
▼Web Site

業界を挙げて守る「共助」の仕組みでは、楽天ウォレットの佐々木康宏さんとGincoの藤本賢慈さんが登壇し、日本独自の取り組みである「共助」について紹介しました。
日本では、自分たちだけで守る「自助」の限界を超え、業界全体で助け合う仕組みが構築されています。
JPCrypto-ISAC:2025年に立ち上がった、セキュリティ特化の情報連携組織。インシデント情報の共有や海外組織との連携をハブとなって行う。
JCBA(日本暗号資産ビジネス協会):160社を超える会員が参加し、セキュリティガイドブックの作成やロビー活動を通じて、業界の底上げを図っている。
三つの助け:「自助(自らを守る)」「共助(業界で助け合う)」「公助(官公庁による支援)」を意識した体制構築が進んでいる。



「ゲストによるディスカッション」
モデレーター:藤本 さん(Ginco)
パネリスト:内田さん(チェイナリシス ジャパン)、佐々木さん(JPCrypto-ISAC)、ミン・ブライアンさん(Ginco)

パネルディスカッションでは、GincoのCISOであるミン・ブライアンさんも加わり、より現場に近い視点での議論が行われました 。
1. AIがもたらす新たなパラダイム
ミンさんは、「AI基盤のサイバーアタック」が最大の脅威であると語りました 。高性能なAIモデルが脆弱性の発見から攻撃コードの生成までを瞬時に行うため、従来の「優先順位をつけて対応する」というプロセスが追いつかなくなっています 。そのため、開発の仕様設計段階からセキュリティを組み込む「セキュアバイデザイン」の徹底が急務となっています。
2. セキュリティは「コスト」ではなく「投資」
佐々木さんは、「セキュリティに完全はない」という認識を経営陣が持つことの重要性を説きました 。セキュリティを単なる「怒られないためのコスト」ではなく、ビジネスの持続可能性を高めるための「投資」と捉える文化の醸成(カルチャー・メイキング)が必要だという点に、登壇者全員が同意しました。
3. CISOの地位向上と人材育成
内田さんは、インシデント対応の経験値を「すねの向こう傷」として誇れるような、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の地位向上が必要だと熱弁を振るいました 。また、会場からの「セキュリティ人材をどう増やすか」という問いに対し、会社としての予算措置や、IPA等の国内資格の活用など、具体的なキャリアパスの提示が行われました 。

イベントを通じて浮かび上がったのは、Web3が「魔法の杖」ではなく、既存の金融システムと同等、あるいはそれ以上のガバナンスとセキュリティが求められる「本物のインフラ」へと進化したという事実です。
渋谷Web3大学は、この「守りの固まり」こそが、次の大きな「攻め」の起点になると確信しています。 法整備が進み、セキュリティの共助が機能し、信頼の土台が整った日本市場には、これから世界を代表するような本物の事業と投資が集まってくるでしょう。
「飲み会こそが最大の共助(顔の見える関係性)」という言葉に象徴されるように、この渋谷のコミュニティから生まれる横の繋がりが、日本のWeb3をより強固なものにしていきます。
「一人のイノベーターではなく、100人のうちの2.5人が集まるこの場所から、文明を変えるレベルの変化を起こしていく」。
その熱量を再確認した、記念すべき一夜となりました。
今回のイベントもありがとうございました✨

イベント終了後は、登壇者と渋谷Web3大学の仲間と懇親会へ♪

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【次回のイベント】
次回は渋谷Web3大学 -season2- 第9回目リアルイベント(通算第40回目)
2026年5月20日水曜日開催
「Web3 × 終活」── 今こそ、死のインフラを再設計するときが来た。 ──

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